映画「ゼロ・グラビティ」

地球の上空600km 温度は120℃から-100℃の間で変動する。音を伝えるものは何もない。気圧もない。酸素もない。

スペースシャトル「エクスプローラー」のミッションでメディカル・エンジニアのライアンとベテラン宇宙飛行士のマットが船外活動をしています。宇宙遊泳をしながら地球を眺めているシーンはまるで自分も宇宙を散歩しているような気分になります。

「ひとつ確かなこと。最高の景色だ。宇宙の何が好きだ?」「静けさよ。居心地がいいわ。素晴らしい。」

“You gotta admit one thing. Can’t beat the view. So, what do you like about being up here?” “The silence. I could get used to it. Terrific.”

ロシアが自国の人工衛星をミサイルで破壊。破片が別の衛星に次々衝突し新たな破片が発生。大群となって飛んできます。減速することのない猛烈な速さのデブリが衝突し壊滅的なダメージを受けた「エクスプローラー」と共にライアンは宇宙空間へ放り出されてしまいます。なんとかマットに救出してもらったものの二人はたった一本のロープで繋がれ宇宙空間を漂流して行きます。

地球帰還用のソユーズがドッキングしてあるISS(国際宇宙ステーション)めがけて進んで行くものの頼りにしていたマットの宇宙服にあるスラスター(推進装置)の燃料が途中で切れてしまいます。ライアンはISSにしがみつくも、マットは先の宇宙へ投げ出されてしまいました。

ソユーズに乗り込んだライアンは近くを飛行していた中国の宇宙ステーション「天宮」へ向けて進もうとしますがここでも燃料切れ。絶望したライアンは諦めて酸素タンクのバルブを絞り自らの命を絶とうとします。そこにマットの幻覚が現れてラインに言いました。

「問題は今どうするか。もし戻るならもう逃げるのはよせ。くよくよせず旅を楽しめ。大地を踏みしめ自分の人生を生きろ。地球に還るんだ。」

“It’s a matter of what you do now. If you decide to go, then you gotta just get on with it. Sit back, enjoy the ride. You gotta plant both your feet on the ground and start living life. It’s time to go home.”

前進するためにソユーズに搭載されていた着陸用スラスターを利用することをマットの幻覚に教えてもらい何とか「天宮」にたどり着きました。「天宮」に乗り込み大気圏再突入を前にしてライアンは最後の自分の気持ちを述べます。

「このままいくと結果は二つしかない。無事に生還し奇想天外な話を聞かせるか。10分後に焼け死ぬか。どっちだろうと。誰のせいでもない。結果がどうであれこれは最高の旅よ。準備 OK」

“The way I see it, there’s only two possible outcomes. Either I make it down there in one piece and I have one hell of a story to tell or I burn up in the next 10 minutes. Either way, whichever way… no harm, no foul! Because either way… it’ll be one hell of a ride. I’m ready.”

「天宮」のパラシュートが無事開きライアンは地球への帰還を果たします。「母なる地球」に戻り水や重力を体いっぱい感じながらライアンは立ち上がり、再び歩き始め映画は終わりを迎えます。

この作品の中で一番の見どころは「宇宙にいるような臨場感」です。宇宙服を着て船外活動をしている時は宇宙の絶景を味わうことができます。しかし一旦災難に遭遇するとそこは不安と絶望の別世界。閉塞感にさいなまれながら呼吸の音がよく聞こえるようになります。「酸素濃度低下」と表示されると自分の呼吸も苦しくなってくる感じさえします。ここまでの臨場感を味わえる映画は他にありません。一度この映画を鑑賞してリアルな「宇宙の体験」をしてみてはいかがでしょうか。

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