THE PLANETS「破壊と創造の暴君 土星」
コズミックフロントネクスト
File1:灼熱の巨大ガス惑星誕生
土星は太陽から14億 km。かつて岩と氷だけの惑星でしたが、今は降り立てる表面は存在しません。かつて土星は岩と氷で出来ている惑星で、その大きさと強力な重力から水素とヘリウム等のガスが回りに集まりました。ガスの重みによるとてつもない圧力により岩と氷が熱せられ輝くようになりました。表面の気圧が地球の1000万倍に上昇して表面が変形し始めました。想像を絶する高い気圧によって降り立てる地面は失われました。土星は氷と岩の惑星から巨大ガス惑星へと変貌したのです。 土星の北極には雲が6角形をしていて地球が6個はいる大きさです。
File2:土星の衛星たち
土星のリング厚さは大きいものでも皆さんの家の大きさくらいです。リングは氷で出来ていて太陽の光で輝いています。探査機カッシーニがこのリングに近づき鮮明な画像を送り62個の衛星も観測しました。
「デス・スター」と呼ばれた「ミマス」には巨大なクレータがありました。直径1500kmの「イアペトゥス」の赤道には高さが20kmにもなる山脈が写っていました。「パン」は直径28km、「ヒペリオン」は直径266km、「レア」は直径1528kmありました。これらの多くは土星のリングと同じ物質で出来ていることを発見したのです。これらはリング誕生と深く関わっているのではないかと推測されます。
File3:リング誕生の秘密
土星はサターンと呼ばれ、ローマ人が時間と農耕の神にちなんで名付けられたものです。神話によればサターンは生まれたばかりの自分の子供を食べたと伝えられていますが、その神話は土星ではあながち間違っていないことが分かってきました。
重力はものを引き寄せる力だと考えられていますがものを引き裂く力にもなります。 1億年前~1000万年前、直径400km程度のある氷の衛星が、土星の近くを回っていたために強力な重力により引き裂かれました。これにより粉々になった膨大な数の氷が土星の周囲に散らばったのです。氷の破片はあっという間に土星を取り囲み、互いにぶつかりなから小さくなり、リングの厚さは平均10m程しかなくなりました。驚くべき薄さですが、場所によっては厚さが2km程度になるところもあり、そこの近くには衛星がありました。
File4:土星の近くで見つけた生命の可能性
リングのすぐ外側に直径約500kmの氷の衛星「エンケラドス」がある。氷覆われているので太陽光の反射率が90%以上と太陽系の中でもトップクラス。「エンケラドス」には長さが100km以上の大きな割れ目があります。美しい表面の下から水蒸気と氷が吹き出しているのです。カッシーニはこの間欠泉のわずか48kmに近づきました。そこに漂っていたのは塩水が凍った粒子だったのです。内部に液体の海があることが分かりました。エンケラドスは土星の楕円軌道を回っているためその重力で伸縮し熱が発生していたのです。有機物も発見され、生命の可能性があります。
13年の探査の末、燃料が尽きかけたカッシーニは土星に突入して燃え尽きました。
リングにある氷は少しずつ土星表面に降り注いでいてリングは消えかかっているいます。1億年後には土星のリングかわなくなっている可能性があります。
「太陽系の宝石-土星」
太陽系でもっとも美しいと言われる星。
激しい大気の流れが引き起こす巨大な嵐
重力によっては衛星が引き裂かれて出来た巨大なリング
生命が存在する可能性を示したエンケラドス内部の海
土星も宇宙の神秘を私たちに教えてくれている